覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「あっ、おはようございます」
と言ったあとで、

「課長、さっきから乗ってらっしゃいました?」
と衣茉は訊く。

「……乗ってたが」

 そう答えながら、八尋は、

 俺は人より、頭ひとつ出てると思うんだが、何故、気づかない、
という顔をしていた。

 だが、衣茉はそれどころではなかった。

「あの、どうやったら、リアルに頭を打って殺せますかね?」

「お前、あのシロクマ、お前のつもりか?」

 二人は同時に口を開いた。

 八尋の言葉の方が、かなりほのぼの感を(かも)し出していた。

 衣茉の言葉が殺伐としすぎていたからだろう。