覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 ずっと、
「そこのゴミを捨てろ」とか、

「此処片付けたから、とりあえず拭け」とか指示を出してくるあなたの広い背中ばかり見つめていました。

 ……ん。
 なんか、このフレーズいいな。

『あなたの広い背中ばかり見つめてた――』

 いや、
『いつもあなたの背中ばかり追いかけていた』の方がいいかな。

 いやそれとも……と衣茉は何度もとってきたメモを書き直す。

「おい、そこにいるんだろ、開けろっ」

「は、はいっ、すみませんっ」

 衣茉は、ようやくハッとし、メモ帳をシューズボックスの上に置いて、ドアを開けようとしたが。

 玄関にある造り付けの細い鏡に気づく。