衣茉がお風呂のお湯を溜めていると、またチャイムが鳴って、八尋がインターフォンのカメラに映っていた。 「あっ、お疲れ様ですっ。 なにかお忘れ物ですか?」 「いや、……まあ、お忘れ物といえば、お忘れ物なんだが」 ちょっと気がついたことがあって、と八尋は言う。 なんだろうな、と衣茉は慌てて、八尋を通した。 部屋の方のチャイムが鳴って玄関前に行く。 鍵を開けようと、慌ててサンダルを履いていると、 「すまないな」 とドアの向こうから八尋が言ってくる。