「いや~、あまりに片付いてなかったので、この厳重なセキュリティで課長を追い払うべきかなとか思っちゃってましたよ」
と言う衣茉とともに、八尋は掃除していた。
マンションのセキュリティで俺を追い払おうとしたのか。
いつぞや、危惧していた通りになるところだった、とゾッとする。
衣茉はブスメガネとやらをかけ、かなりゆるい格好をしていてた。
棚の上の本を整理しながら、八尋は、
……可愛い、と横目に衣茉を見る。
いや、冷静に見たら、なにも可愛くはないのだが。
今の衣茉は、いつもの可愛さの三分の一くらいしかないかもしれない。
だが、自分にだけ見せてくれる駄目なところ、みたいな感じで嬉しいせいか、すごく可愛く見えた。



