覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 いちいち雑誌を読み返し、切り取ってから捨てたり、なんてことはせずに、とりあえず棚の上に積み上げた。

 そこそこだ、そこそこ、と衣茉は自分に言い聞かせる。

 仕事と同じに、そこそこに効率よく、と八尋に、

「仕事は、そこそこにするな~っ!」
とキレられそうなことを思いながら、なんとか片付け終わったとき、また八尋から電話がかかってきた。

「弁当かなにか買っていこうか」

「ありがとうございます」
と言う衣茉は、3日かかる弁当にしてください、とは言わなかった。

 よしよし。
 だいたいこれでいいだろう。

 夢の中でシュミレーションしたから、効率よく行ったんだろうかな、と思いながら、衣茉はガチャリとドアを開け、気がついた。

 自分がずっとベッドや本棚がある寝室っぽい、くつろぎの部屋を片付けていたことに。

 リビングはまだ散乱していた。

 何故、こっちを先に片付けない~っ!

 衣茉は慌ててまた、本を積み上げようとするが。

 急いで適当に重ねたので、積み上げた端から落ちてくる。