この家、離れがあればよかったな。
そしたら、そっちに荷物を押し込めるか、課長を押し込めるのに、と思いながら、黙々と片付ける。
よく考えたら、マンションなので、離れなど作れるはずもなかったのだが。
隣の部屋は空かないだろうか……。
衣茉は妄想の中で、愛想のいい隣のご家族さまをお引越しさせようとする。
下の部屋でもいい。
部屋番号プレートを付け替えて。
この階のボタンを押しても、下の階に止まるよう、エレベーターに細工する!
いや、それか、森を挟んで反対側にそっくりなマンションを建てて、課長を誘導っ。
まず、マンションを建てる金を貯めなければなっ、
と衣茉は節約する覚悟を決める。



