覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


 八尋と一緒に会社への道を歩きながら、衣茉は悩んでいた。

 特に用事はないけど、課長といたいな。

 ってことは、無理やりにでもなにか用事を考えなきゃな。

 そう思ったあとで、ちょっと不安になる。

 いやこれ、大丈夫かな、私。

 あの自分で書いたヤバイストーカー小説の主人公みたいになってないかな?

 これまで恋愛などしたことがなかったので、自分の恋が暴走したりしていないか判断がつかず、怖かったのだ。

 だが、怖いながらも、このチャンスを逃したくはなく。

 なっ、なにか用事、なにか用事、なにか用事っ、
と衣茉は焦る。