覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 実は衣茉は、

 よかった。
 ようやく、雑誌に載ることになって、と思って喜んだり。

 ……でも、売れなかったら、申し訳ないよな。
 二度と声かけてもらえないかもしれないし、と青くなったり。

 いやいや、雑誌なんだから、片隅に載ってる私の駄文ごときで売れ行き変わったりしないよな、とホッとしたり、と何処までも妄想の翼を広げていた。

 ……あ~、いやいや。
 安心するのはまだ早いっ。

 こんな人、この雑誌に載せないでくださいっ、とか言われて、評判悪かったりっ。

 いやいやいやっ。
 わざわざそんなこと言ってくるのは、逆に印象に残った場合だしっ。

 私の話なんて、ふうん……って感じに、ペラペラッとめくられて終わりだろうな~。

 短いし。

 衣茉は、ボリボリボリとお菓子を食べながら、適当に自分のページがめくられていくところを想像し、ギャーッとなっていたのだが、八尋はそんなことには気づかなかったので。

 何処か具合が悪いのだろうか、と心配していた。