覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「僕の駄目なところ、今から考えるから!
 きっといっぱいあるよ!」

「いや、玖村さんに駄目なところなんてないですよ」
と衣茉が言い、続けて明子が言った。

「そうですよ。
 玖村さん、全然駄目じゃないですよっ。

 玖村さんって、すごく根性があって懲りないんだなって今回、見直しましたよ、私っ」

 玖村はしばらくメモになにか書いていた。

 どうやら、自分の駄目なところを書き出していたらしい。

 メモ帳にペンを挟み、閉じた玖村は、ふっと笑って言った。

「君のおかげで自分を見つめ直せたよ。
 僕は君に言い寄れるような男じゃなかったらしい」
と何故か反省をしはじめる。

「いや、待ってください!
 玖村さんは素敵な人です!」
と衣茉は言ったが、

「ほんとに?」
と疑わしげに玖村は訊いてくる。

「じゃあ、八尋とどっちが?」

「ど、どっちもですっ」