それにしても、恋なんて、私には縁遠いものだと思っていたのに。
いつの間にか、課長を好きになっていた気がする。
……いや、それとも、全部気のせいなのだろうか。
そんな気分になっているだけで。
っていうか、今まで誰も好きにならなかったのに、どうして課長のことだけ好きになったんだろう。
玖村と吉行は遅れてロビーに来たが。
八尋は急ぎの仕事があると言って先に戻っていたので、衣茉はその謎を口にしてみた。
「いいじゃない、いいじゃない。
そういうことじっくり考察してたら、きっと、いい恋愛ものが書けるわよ」
と秋馬の手下のような明子が言う。



