覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「……破局したって噂が広まって。
 ぎくしゃくして、別れたらっ。

 そうよっ。
 なんか切ない系のいい話が書けるようになるかもっ。

 衣茉ちゃん、別れてっ」
と衣茉の両肩を叩いてくる。

「あの……明子さんは一体、誰の味方なんですか?」

「え?
 日本全国に散らばる綾原小織(あやはら こおり)のファンの味方よ」

 私のファン……。

 うちの親に言わせると、日本全国に数人しかいないみたいなんですけどね。

 そのうち二人は、もうここにいるしな、と少し寂しい気持ちで衣茉はよく冷えたコーヒーの缶を開けた。