覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


「そういえば、衣茉ちゃんたちって、いつ、結婚するの?」

 社食を出たあと、缶コーヒーを手にロビーのソファに座った明子がそう訊いてくる。

「あの、そこまで話進んでませんけど……」

「なに言ってんの~。
 もうこの間、社食で広まっちゃったでしょ。
 早くしないと、すぐに破局したって話になるわよ。

 ……破局したって噂が広まって、

 ぎくしゃくして、別れて……

 衣茉ちゃんが書かなくって」

 いやっ、それはやめてっ、と明子は叫んだあとで、

「いや、待てよ」
と衣茉の未来の軌道修正をはじめた。