覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「その意味不明さが文学ってものなのよ」

「あんたはわかって書いてんの?」

 さすが親、そう突っ込んで訊いてきた。

「……いや。
 心を無にして書いたから」

「そんなもの、人様に読ませないでちょうだい。

 おばあちゃん、可愛い孫が書いたものだからって。

 何年経っても、定期的に読み返しては、
『意味がわからん』
 って近所の人に愚痴ってるのよ」

 定期的に孫をディスらないでください。

 でも、それはそれで、祖母の愛情を感じた。

「ともかく、八尋課長はいい人だから」

「あら?
 課長さんなの?

 あんたの会社の?

 八尋……なんておっしゃるの?」