覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


 その後、母親から電話がかかってきた。

「ちょっとあんた、秋馬くんがこの間、家に帰ってて。
 バッタリ出会ったんだけど。

 結婚を前提にお付き合いしている人がいるんだってね。
 騙されてるんじゃないの?」

 いや、『結婚を前提にお付き合いしている人がいるんだってね』から流れるように『騙されてるんじゃないの?』と行くの、おかしくないですか?

「だって、あんたみたいな、ぼうっとしてるうえに。
 オチのよくわからない話しか書けない物書きなんかをいいって人がいるわけないじゃない。

 誰とも付き合ったことないから、簡単に騙されそうだし。

 ほんとうに、あんたが最初に出した本、何回読んでも意味がわからない。

 最後は結局どうなったんだって、おばあちゃんまだ言ってるわよ」

 どうして、私と私の本を同時にディスるという器用な真似をしてくるのですか。

 ちなみに、このおばあちゃんというのは、タヌキの館(?)のおばあちゃんではない方のおばあちゃんだ。