「……タクシーで来たんだ」 いつもより少し遅れて八尋は職場にやってきた。 明らかに顔色が悪い。 廊下で、 「どうしたんですか?」 と問うた衣茉に八尋はスマホを手渡して言う。 「祝、俺のスマホを持っててくれ」 「えっ?」 「駄目だ。 自分の力でゲームがやめられない。 今までゲームをやらなくて正解だった。 そして、お前が選んだゲームはほんっとうに面白かった」 「あ、ありがとうございますっ」 とつい、言ったあとで、いや、なにもよくないな……と衣茉は思った。