覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 


「なんかすごい勢いで書けるんです、今」

 衣茉は秋馬に電話でそう言った。

「そうかそうか、よかったな」
と言う秋馬は実のところ、あまり期待はしていないようだった。

 今まで衣茉に仕事の上では期待を裏切られ続けているからだろう。

「いや、ほんとうに今度こそ頑張りますよっ」
と衣茉は張り切る。

 寝ようとするたび、話のつづきが思い浮かび、何度もメモしているうちに。

 大きな字で書き殴ったせいてもあって、すぐに新しい手帳はいっぱいになってしまった。

 もう一冊の新しい手帳に手を伸ばしかけ、衣茉は迷う。