覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 男たちに羽交い締めにされ、銃を突きつけられても、なおメモを書きつづける衣茉。

 滅多にない状況だからだろう。

「なんだ、てめえっ。
 俺たちのことをメモして、警察に通報する気かっ」
と強盗に凄まれている。

 いや、待て。
 落ち着け、強盗。

 通報するんなら、すぐにするだろ。
 呑気にメモして、まとめ直してから通報する奴なんて、いるわけないだろうっ。

 こめかみに銃を当てられた衣茉は、そのひんやりとした銃口の感触をメモしようとした。

 そんな妄想の最中、倉庫のドアを開けると、そこに、手帳をとりに来ていた衣茉がいた。

「あ、課長……」
とこちらに向かい、笑いかけようとした衣茉に向かい、八尋が叫ぶ。

「そんなことしてないで、早く逃げろっ」

「ええっ!?」