「こうして見ると、森の木って高いですね~」
もうひんやりしはじめた秋のはじめの森を二人で歩く。
「いやあ、うちの観葉植物、ぐんぐん育つな~と思ってたんですけど。
こういう大自然に生えてる木と比べたら、まだ全然、ちっちゃいですね~」
少し開けた場所で月に届きそうな木のてっぺんを見ながら衣茉はそう言った。
「ほう。
お前の家には、そんな大きな観葉植物があるのか。
ああいや、実家の方か?」
「いえ、そこのマンションの方ですけど。
見たことなかったでしたっけ? 課長」
と衣茉が言うと、ああ、と八尋はやけに力強く頷く。
「そうなんですか。
じゃあ……」



