その日の帰り。
また一緒にバスに乗った衣茉と八尋は昼間のメモについて話していた。
「それで、『憎しみの肉まん』って打とうと思ったら、何故か『肉市民の肉まん』になってたんですよ」
「待て。
そもそも、なんで、憎しみの肉まんを打とうとするんだ……」
と八尋は明子と同じようなことを言い出す。
課長と湯村さん、おそろいだ。
なんかうらやましいな。
ちょっと憎しみの肉まんだ、と衣茉は思った。
私は課長が好きなのだろうかな?
でも、課長を思って書いた気がするあの小説は、最初に提出したのと同じ、ストーカーの呟きが書き殴ってあるサイコホラーだと秋馬先輩に言われてしまったのだが。
ということは、私の課長に対する思いは、なかなか見つけられなかった漫画の第三巻に対する思いと同じと言うことか。
漫画探し回ったときの気持ちを参考にして、あのストーカー小説書いたんだもんな。
それは意外に熱烈だな、と衣茉は自分の中に知らないうちに芽生えていた思いに感心する。



