覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「衣茉ちゃん、滝までなにしに行ったのよ」

 いや、滝じゃなくて、学校行ったんですけど、と思いながら、
「他にいいメモないの?」
と雇った覚えのないマネージャーのような明子に問われる。

「他ですか……」
とスクロールさせていたとき、課長が衣茉たちが居る給湯室の外を通りかかった。

「あ、お、おはようございます」
「おはようございます」
と明子と二人で言うと、八尋は、

「おはよう」
と返したあとで、

 なにやってんだ、こんなところで。
 ああ、メモか、という顔をした。

 ちょっと笑って去っていく。

 なんでしょう、今の微笑み。
 どきりとしてしまいました。

 そんな衣茉の顔を横から眺めていた明子が、
「はい、衣茉ちゃんっ。
 今、課長を見たときの気持ちをメモッ!」
と叫ぶ。