覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「あっ、いいホラーなら書けそうですよ。
 あと青春ミステリー」

「……お前の青春ミステリーって、単に事件が起こるのが学校ってだけで、なんにもきらめいてないんだろうな」

 いやまあ、たぶん、そうなんですけどね、と思いながら、
「でも、なんかドキドキする場所は見つけましたよ」
と衣茉は言った。

「何処の絶叫吊り橋だ」

「いえ、お寿司屋さんです」

 あそこのカウンターに座っていると、ドキドキしてきます、と言って、
「それ、値段が時価とか書いてあって、ドキドキするだけだろ」
と言われる。

「いや、違……っ」

「くだらないこと言ってないで。
 とっとといいネタ見つけてこい」
と秋馬は電話を切ってしまった。