覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 

 八尋に送ってもらい、家に帰ると、秋馬から電話がかかってきた。

「沢木さん、新しい雑誌の件で、お前にも声かけたんだってな。
 ……きっとみんなに断られたんだな」

 ほんとうにロクなこと言わないな、この先輩、と衣茉は思いながら、

「まあ、できる限り、頑張ってみるつもりです」
と言う。

「俺の頼んだ方も頑張れよ」

 そう秋馬は言ったあとで、
「おっ、こんなこと言うと、なんかいろいろ仕事抱えてる人気作家様みたいだなっ」
と言って笑った。

「単に、頼まれた依頼がひとつもこなせてないんで、溜まってるだけだが」
とついでに真実を突かれる。

「それで?
 いい恋愛ものが書けそうなネタ、見つかったか?」