覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 担当作家を見送って戻ってきた椿が言う。

「そのために、秋馬さん、綾原先生にいきなり恋愛もの書けとか言ったんですか?」

「いや、単にこいつなら、ピュアなものを書けるだろうと思って。
 この歳で初恋もまだとかいう不器用さを買ったんだ。

 だいたい、こいつとデートするのに、そんなめんどくさいことしなくていいからな。

 先輩風吹かせて、ついて来いよと言えばいいんだ。
 
 そもそも、お前、恋に落ちなければって、男の当てはあるのか」

「あります」
「なんだって?」

「……あ、いえ、恋人の当てはないけど、結婚の当てなら」

 何故だ……と秋馬に言われた。