覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)




「実は、新しい雑誌を立ち上げるのに、沢木さんも参加されてるらしくて。

 私にも協力して欲しいと。
 純文学でなくて申し訳ないですって言われたんですが……」

「いや。
 お前、もうすでに純文学からは、遠いところにいるよな……」
と昔々の綾原小織のファンだという八尋が遠い目をして言う。

 すみません。
 あなたの好きだったあの人はもういません、みたいになってしまいまして。

 私が殺してしまったんだな、あの綾原小織を。

 だが、今、そのとっくの昔に死んでしまった死体……

 じゃなかった、感性を掘り起こせと沢木さんは言う。