覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 うむ。
 なんだか急に、祝が知的に見えてきたぞ。

 いや、別に元から、仕事もできるし、仕事中の受け答えも悪くなかったのだが。

 ときどき、えっ!? ってミスはするんだが。

 ……だが、綾原小織の人格はいわば、演技なんだろ?

 でも、元にそういうものがないと、書けない文章だった気もするし。

 うーん。
 どっちがホンモノのこいつなんだろ。

 ミステリアスな女だ……と八尋は、しゃべらなければ、ただ美しい衣茉の横顔を眺める。

 秋馬が聞いていたら、
「ミステリアス?
 ただの妙な奴だろ」
と言い、玖村が聞いていたら、

「ミステリアスッ。
 そうだよ、祝さんはミステリアスなんだよっ!」
と同意してくれていただろうが――。