覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「……祝。
 もう結構ですと言っていいんだぞ。

 ――って、お前、前のめりかっ」

 衣茉は千栄子の話に没頭し、必死にメモを取っていた。

 帰りのバスで、
「いいタイムスリップ物が書けそうです」
と言って、

「それをうちの親の前で言わなかったのは賢明だな」
と言われてしまったが。

 確かに……。

 そんなに昔の生まれじゃないと怒られそうだ。

「いや~。
 でも、今日は、ほんとうに、いい一日でした~」
とスマホを胸に抱き、満足げに言って、

「お前、今日、なにしに行ったか覚えてるか……?」
と言われてしまったが。