覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「衣茉さんのペンネームはなんておっしゃるの?」

綾原小織(あやはら こおり)です」

「なんだって?」
と身を乗り出したのは、八尋だった。

「お前は誰だっ?」
と一応、妻になる予定(?)の女を見下ろし言う。

「記憶喪失ですか? 課長。
 祝衣茉で……」

 律儀に自分の名前を言おうとする衣茉を置いて、八尋はリビングを飛び出すと、自室に行った。

 本棚から一冊の読み込んだ雑誌を持って戻ってくる。