覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「誰かいないかって言われてさ。
 そういえば、あんたがいたわと思って。

 お母さんの顔立てると思って頼むわよ」

「……すまないが、俺にもその」

 好きな人がいる、と衣茉の前で口に出すのは恥ずかしく、

「け、結婚する予定の人がいる」
と口走っていた。

 ここは嘘ではない。

 最初からプロポーズしているし。

 好きだと言えないのに、プロポーズは何度もできるのが不思議なところだが。

 まあ、結婚は好きでなくともすることもあるようだしな、と思う。