衣茉が友だちの子のおままごとに付き合ったら、
「どのオレンジジュースがいいですか?」
とまったく選択の余地のないことを訊かれたという話なんかを聞きながら、また歩いているうちに、森の向こうに出た。
そこはあの店から見える、ライトアップしている場所だった。
「あ、このお店、よかったですよね~。
今度は私がおごりますね」
と店を見上げて衣茉が笑う。
今度は私がおごりますよ、という言葉が嬉しいような……。
いや、そんなことをいちいち言わなくても一緒にいられる関係になりたいと思うような……。
「じゃ、戻りましょうか」
と笑った衣茉を思わず呼び止めていた。
「祝」
はい? と衣茉がこちらを見る。
「……俺と結婚してくれないか?」



