覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「断捨離しても、本は捨てられないんですよね~。
 命の次に大事です」
と言う衣茉に、その命と本の隙間に、お前の大事なものとして滑り込みたいと思う自分がいるような気がした。

「隠し通路は無理だが。
 うちの実家に比較的空いている倉庫と使っていない離れがあるぞ」

「えっ?」

「普段読まない本を置いといてもいいぞ。
 でも、ちょっと読みたいってとき、手元にないと困るよな……」

 いやいやそんな、申し訳ないです、と言う衣茉に、

 だって、結婚するんだろ?
とするっと言えなくなっている自分がいた。