覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「シチューを作るおばあさんとかもいそうですよね」

「えっ?」

「森の中のおうちには、シチューを作るおばあさんが住んでる気がします」

「ああ、絵本とかでよくあるな」

「なんかこう、ナイトキャップみたいなのかぶったおばあさんとか」

 ……それは、シチューのCMのおばあさんでは。

 お前はおそらく幼い頃から見ていたのであろうCMとシチューの素のパッケージに毒されている。

 そして、あのおばあさんは森には住んではいないし。

 どうやら、おばあさんじゃなくて、おばさんらしいぞ。

 ――と八尋は思っていたが、衣茉が楽しそうに語っているので黙っていた。