覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)




 課長と森を歩くのか。

 なんか安心感があるな、と衣茉は思っていた。

 ここに引っ越してすぐの頃、酔った同期の女子たちと途中まで入っていったことがあるのだが。

 夜の森は女ばかりだと、人数がいても、ちょっと怖かった。

 今は課長ひとりしかいないのに。

 なんだか安心できるな、と衣茉はチラと八尋を見上げる。

 がっしりした肩がちょうど目に入った。

「どうした?」
と八尋に問われ、

「いえ、留里(るり)も肩幅広いけどなー、と思って」
とつい、言ってしまう。

 同期の瑠璃は総合格闘技をやっていて、体格がいいのだが。

 やはり、八尋とは違っていた。