覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「えっ?」

「嫌なのか」

「い、いえ、そうではなくて。
 申し訳ないなと思って。

 いつも送っていただいても、なんのお構いもできなくて……」

 綾原先生、まさか、送ってもらっても、ではっ、て家の前で別れてるとか?

 そこは部屋に上がってもらいましょうよ、と椿が思ったとき、

「あっ」
と衣茉が声を上げた。

 そうそう。
 ようやく気づきましたね、先生。

 そういうときは、上がってお茶でもいかがですかって言うんですよっ、と椿が衣茉に見えない位置で拳を作ったとき、衣茉が言った。