覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 玖村さん、あなたは立派な人なのに、こんな女の何処がいいのですか。

 でも、誰にでも欠点ってあるからな。

 きっと玖村さんは、女を見る目がないことが欠点なんだな、と妙に納得する。

 そのうち、衣茉は今日、衝撃を受けた話をはじめた。

「実は、湯村さんが私の本の読者だったらしく。
 最近、熱心にレビュー書いてくださってたのも、湯村さんだったらしいんです」

「ほう。
 それは湯村も驚いていただろう」

「はい。
 たいそう驚かれたらしく、
『私の感動を返して』
と言っていました」

 いや、なんでだ……と思っているうちに、たまに手書きで書くプロットの話になり、万年筆の話になり、筆記用具の話になり。

「最近、『誰でも綺麗な字が書けるペン』とか売ってるじゃないですか。
 あれ、私への挑戦状かと思いました」
と語り出す。