覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 そういえば、この間も……と衣茉が思ったとき、明子が、

「そうだっ」
と手を打つ。

「今の私の好きな作家さんの名言なんだけどね」

 鞄をゴソゴソやったあとで、明子は、かなり読み込んだ感じの文庫本を出してきた。

「この人、あんまり有名じゃないんだけど。
 昔、結構名のある賞もとってる人なんだよ。

 オススメ」

 その見覚えある桜舞い散る川辺の絵に、あーっ、と衣茉は叫ぶ。