覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「いつ、気になり出して。
 いつ、告白して。
 いつ、付き合うようになったんだよっ」

 廊下だったので、ちょっと声を抑え気味にしてはいたが。

 つい、問い詰めるように訊いてしまう。

 こんな事態になってようやく。

 あ、やっぱり、俺、衣茉ちゃん好きかな、と実感してしまっていたからだ。

 だが、八尋は大真面目な顔で、

「いや、告白もしていないし、付き合ってもいない。
 そもそも、気にもなっていない。

 ……いや、気にはなってるな。

 特に今日は気になる」
と語り出す。

 気になるってなにがだろうな。

 いつもと髪型が違う気がするとか。

 自分に対する態度がちょっと違う気がするとか?

 こいつが、そんな繊細なこと、わかる奴かな?

 愛の力でわかるようになったのか?
と吉行が思ったとき、八尋が言った。