覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 



 なにが、いい殺し方を思いついたんですけどねだ。

 恋愛ものなら、推せるから書けと言ったのに。

 しかも、あんまりいい殺し方ではない、と秋馬は衣茉との電話を切ったあと、椅子に背を預け、考えていた。

 どう階段から落とすのか知らないが。

 衣茉の言い方では、憎しみを感じない。

 憎しみとは、今、俺が衣茉とひょいひょい旅に出た、その課長とかいう奴に感じている感情だっ。

 つまり、憎しみによる殺人とは……と思ったとき、
「お疲れ様で~す。
 まだ帰らないんですか?」
と言いながら、椿が能天気な笑顔で後ろを通り抜けようとした。

 絞めやすそうな首をさげて。

「殺人とはっ」
と立ち上がり、椿の首を絞める。