覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「秋馬、たまに此処に来るんで、よく知ってるんだよ」

「祝のおばあさんの家にですか?」

 そんな家族ぐるみの付き合いがっ、と思ったが、哲が玄関で足下を指差す。

 民家なのに看板があった。

 『自然薯と手作り豆腐の店 チヨ』

「こんな……」

 の先の言葉を八尋は呑み込んだ。

 失礼だと思ったからだ。

 だが、哲は笑い、
「こんなキツネかタヌキしかいないような田舎に客なんか来るのかって言うんだろ?

 でも、最近はさ。
 珍しい物があると、遠くからも車で来てくれるからしいよ。

 この家、いい感じに古民家だし」

 結構繁盛してる、と言う。