覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)


 

 自分達も車を降りて、衣茉の祖母の家まで歩く。

「へー、ドキドキしに吊り橋にね。
 あいつに恋愛ものを書かせようとか、無謀な編集だな」

「高校の先輩だとか言ってましたよ、その編集さん」

「あー、秋馬か。

 そうだ。
 気をつけろよ。

 あいつ、無自覚だけど、衣茉が好きだぞ」

 えっ、と八尋は驚く。

「祝の何処にそんなモテる要素が……」

 衣茉を下げたいわけではないが。

 心の底からそう思ったので、うっかり口に出してしまう。

 ははは、と哲は笑い、
「一般的にモテるかどうかは知らないよ。
 俺と秋馬には人気だが」
と言う。

 ずいぶん狭い範囲の人気だが。

 この人も、その秋馬とかいう先輩もイケメンそうだと思う。