結局、イケメンてっちゃんこと、足立哲に、すぐそこの衣茉の祖母の家まで送ってもらった。
哲はもう結婚していて、子どももいると言う。
八尋が、なんとなくホッとしていると、哲が言った。
「ホッとしたろ」
ぎくりとする。
衣茉は先に降り、祖母の家の玄関に向かおうとしていた。
その後ろ姿を見ながら哲は言う。
「いや俺、実は衣茉にフラれたんだよね。
違うか。
フラれる以前の問題かな。
あいつ、こっちがいろいろ言っても、なんにも気づかないんだよ。
だから、ああこれ、脈ないんだな、と思って」
諦めた、と言う。
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