覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「どうした?」
と訊くと、

「いえ、いつの間にか大人になってしまっていた自分に衝撃を受けまして……」

 子どもの頃は、幾らグラグラして恐ろしくても、ここを渡るしかなかったのにっ、と衣茉は言う。

 そのとき、

「おい、衣茉」
とよく通る男の声がした。

 振り向くと、田んぼの側の広い道に、高そうなセダンがとまり、スーツ姿の男が立っている。

 ちょっとチャラくも見えるが、背丈もあって、スタイリッシュなイケメンだ。