覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

 

 山の中を散々歩いた衣茉たちは、渓谷にかかった古い橋を見つけた。

 錆びた看板に、同時に乗れるのは三名までだと書いてある。

 あと毒蛇注意。

 どう注意しろと?
と看板を見つめていると、八尋が橋を見て言う。

「待て、祝。
 ネットで見たよりひどい状態になってるぞ。

 ところどころ板がない。
 なんでこの橋、修繕しないんだ。

 物騒だろうが……」

 この橋には乗るな、と八尋は言うが。

 いやっ、これこそが求めていたドキドキではっ、と衣茉は、そっと板に足をのせようとした。

「やめろ、祝っ」
と抱き止められる。