覆面作家と恋せぬ課長(おまけ 完結しました)

「友だちに送る内容、会社のグループに送ったら、そりゃ青くなって取り消すわよね。

 上司とかも入ってるし。

 あ、お疲れ様で~す」
と明子は廊下を歩いてきた八尋に微笑みかけた。

 八尋は、
「お疲れ様」
と素っ気なく言って行ってしまう。

「そういえば、月島課長もあのグループに入ってるわよね。
 まあ、課長、偏屈とはいえ、若いし。

 少々チャラチャラしたこと書いてても大丈夫だとは思うけど」

 ……偏屈か。

 まあ、そうかな。

 直属の上司だが、あまり近づかないのでよくは知らない八尋の背を見送りながら、衣茉は思う。

 そんなことより、今通りすがりに課長がこちらに鋭い視線を送ってきたことの方が気になるんだが……。