クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 申し訳なさそうな声色で、想空君は謝ってくる。

 ……想空君は、何がしたいんだろう。

 私を好きとは言ってくれたけど、何がしたかったのか分からない。

 ただ残ったのは、想空君に対しての少しの恐怖だった。

「……想空君、頭を上げて。」

 とりあえず頭を上げてもらい、目線を頑張って合わせる。

 この表情からして……想空君はきっと、心から謝ってくれている。

 確証はない。私のただの予想。

 でも……今にも泣いてしまいそうなほどへこんでいる想空君を、責めようとは思えないから。

 怖さはあるけど、ここまで謝られたら何も言えない。

「私、は……大丈夫だよ。だから、謝らないで……?」

 恐怖を抑えて、ぎこちない笑顔でそう言う。

 そうすると想空君は一瞬呆気に取られたように目を見開かせたけど、すぐに不安そうな表情に戻った。

「先輩……お人好しすぎますよ。さっきまで僕に、怖い思いさせられてたでしょ……?」

「それはそうだけど……そんなに謝られたら、怒れないよ。きっと想空君は、良い人だって思うから。」