クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「僕、これから先輩のことうらら先輩って呼びます。なので、先輩も僕のこと敬語なしで……想空、って呼んでください。」

 懇願するように私にそう言ってくる彼に、一瞬だけ息が詰まる。

 ……大丈夫、彼は優しい人だから。

 きっと、りおくんや大貴君みたいに仲良くなれるっ……。

 早く、この恐怖症を克服してりおくんに安心してもらいたいしっ……。

『また何かされたら、遠慮せずにちゃんと言え。分かったか?』

 りおくんはよくそう言ってくれるから、甘えてるんだ。

 このままじゃ、りおくん離れができなくなる。

 そうすれば、りおくんに迷惑をかけてしまうのは分かり切っている事で。

 りおくんだって、私みたいなお荷物の面倒を見なくてもよくなるし……どっちにしても、良いはずなんだ。

「想空、君……これから、よろしくねっ……。」

「……はい、よろしくお願いします。うらら先輩! ……先輩、連絡先交換しましょ!」

「う、うんっ。」

 想空君と連絡先を交換して、スマホをポケットにしまう。

 その時、ふと時間を確認した。