クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「……大貴、流石に何してんだよって言いたくなる。」

「でも仕方ないだろ~! 俺もしたくてしたわけじゃねぇんだからさ……。」

「口より手を動かせ。」

「……酷くない、凛遠?」

 流石のりおくんも、そりゃあこれ見たら驚くよね……。

 ……っ、痛っ。

 ぽけーっとしてしまっていたからなのか、いつの間にか私の指からは血が出ていた。

 きっと、花瓶の破片とかで切っちゃったんだ……。

 深くはないけど、放っておいたらダメだろう。

「ごめんね志珠ちゃん、ちょっと手洗ってくるね。」

「え? どうしたの……って、手切ってるじゃんっ。大丈夫なの?」

 心配そうに覗き込んでくる志珠ちゃん。

 そんな彼女に私は「大丈夫だよ!」と言い、とりあえず流してくる事にした。

「片付けもうそろそろ終わりそうだから、手洗えたらうららは授業とかの準備してていいから。」

「うんっ、ありがとう。」

 志珠ちゃんの言う通り、後は軽く拭いたら終わりそう。

 ……って、呑気にしてられないよねっ。

 急いで近くの水道で切ったところから出てしまっている血を流し、清潔な状態にする。