クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 そんな私を見て、彼はほんの一瞬だけ動きを止めた。

 ん? どうしたんだろう……?

 どこか体調でも悪いのかな……と思うも、彼はすぐに笑顔になった。

「そういえば僕、自己紹介も何もしてなかったですね……。」

 申し訳なさそうにそう言う彼だったけど、すぐに優しい微笑みを浮かべる。

「僕は一年の狛野想空(こまのそあ)っていいます。 それと、生徒会補佐してるんです。」

「そ、それってすごい事じゃっ……!?」

 生徒会補佐とは、名前の通り生徒会をサポートする役職。

 大体は二年生がするらしいけど、今年の一年生に例外がいたらしい。

 入学試験で満点を取った天才がいる……って。

 だから今年は、その天才さんに生徒会補佐を任せるらしかった。

 でもまさか、彼だったなんて……。

「そう言ってくれて、ありがとうございます。」

 にこっと笑った彼は嬉しそうに、そして可愛らしい。

 可愛い系男子って、こういう系の人を言うんだろうなぁ……。

 なんてぼんやり思いに耽っていると、彼がゆっくりと口を開いた。