クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 作業を始める前に志珠ちゃんにメールを入れておく。

 用事ができちゃったから、もしかしたら行けないかも……っと。

 その後すぐに、《りょーかい!》といったうさぎのスタンプが返信としてきた。

 先生が私に渡してきた資料は明日までの期限で、二人で急いで終わらせる。

 資料をホッチキスで留めていく間、私は気まずさに苛まれていた。

 ……あんまり静かなのも、落ち着かないな……。

 向かい合わせで座っているため、できるだけ視線を合わせないように作業を進めていく。

 でも、心の中の気まずさは消えるどころか増えていった。

 何か、話したほうがいいかな……。

 一瞬だけそう思うも、唇が震えている事に気付いて閉じてしまう。

 こんなんじゃ、まともに会話もできない。

 いずれこういう事が起きる事は分かっていた。例え、自分の蒔いた種といっても。

 これじゃあ……ダメ、なのに。

「南持先輩。」

 きゅっと唇を引き結んで、資料を持つ腕に力を込めた時。

 不意に彼から、名前を呼ばれた。

「な、何ですか……?」