クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「ほんとごめん! というか志珠、俺には超能力なんてない!」

「いやあるでしょ。何もしてないのに普通はこうなんないよ。」

「それは俺も分かってるって!」

 あ、あはは……なんて反応すればいいか、分かんないや……。

 志珠ちゃんに大きな声で反論しているのは、この事件の犯人の湯阪大貴(ゆさかともき)君。

 大貴君はいわゆるムードメーカーでクラスでも人気者……なんだけど。

 たまにこうして、ドジをしちゃう事がある。

 ドジって言葉でまとめていいのかも、この際は分からないけど……。

 クラスメイトもせっせと片付けに協力していて、私とりおくんもスクールバッグを置いてから手伝いに走る。

「結構派手にやったんだね……。花瓶の破片とか、すっごくある……。」

「でしょ? 大貴のドジ具合はどうすればいいかもう分かんないわ。」

 うん、それはすっごく分かるよ志珠ちゃんっ……。

 私もどうすればいいか分かんないから。

 というかもうこれは、生まれつきと思うしかないのでは……?

 逆にそう考えなきゃ、こんなミラクル起きないと思う。