クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 気のせいかもしれないけど、そう感じてしまった。

「うららの言う通り、さっさとうららを離しなさい! あたしだってもう少しうららに癒されたいんだから!」

「さっきまで癒されてただろーが。」

「それとこれとは話が別なの! うららを返して!」

「うららは物じゃねぇ。」

 ま、また訳の分からない話を……あはは。

 志珠ちゃんは大きな声でりおくんに抗議しているけど、りおくんは全く相手にしていないようで。

 ううっ、周りの視線が痛いっ……。

 その間も私を抱きしめる腕を強くしていて、私は周りからの視線に頑張って耐える他なかった。



 ふぅ……なんとか今日も無事、終わったぁ……。

 授業が終わり、ぐーっと伸びをする。

 その後にスクールバッグに教材を入れていき、片手に持つ。

 そして今日、私は日直で。

「志珠ちゃん先に行ってて! 日誌書いたらすぐ行くから!」

「はーい。じゃ、待ってるからね。」

 志珠ちゃんに一言そう断り、早速日誌を書き進めていく。

 書く量が多いから大変なんだよなぁ……みんなが日直嫌がるのも、納得できる。